通知表

あゆみこんにちは。いよいよ来週から小中学校が夏休みに入りますが、夏休み前に子どもたちを待っているのは「通知表」でございます。そこで、今回は、「通知表」に関し、日本の学校教育の最近の流れからご説明をさせて頂きます。

まず、私もですが、「通知表」と言うと、テストで何点取ったから三重丸だ二重丸かもという認識で教育を受けてきたかと思います。その上で、小樽は「学力が低い」と良く言われており、ただただテストの出来が悪いという考えになっている人も多いかと思われます。が、すでにこの認識が間違っていたのです。

日本では、知識を習得しいかに正確に時間内で答案用紙に再生することが「学力」として位置づけられてきました。しかし、2006(平成18)年12月に戦後から60年ぶりに教育基本法が改正され、「生きる力」を育むことが明確化され、この理念の下、2007(平成19)年6月に「学校教育法」が一部改訂され、その「学力観」が転換されることになりました。

転換された内容は、「基礎的な知識及び技能の習得」とともに、「これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむこと」、「主体的に学習に取り組む態度を養うこと」の2点を明確化し、特に「思考力・判断力・表現力」が重要とされ、これは学習指導要領改訂でも示されました。

要は、テストの点数だけ良ければ良いのではなく、学校で学んだ知識をどのように生かすのかが必要であるとなりました。

背景には、OECD(経済協力開発機構)のPISA(国際学習到達度調査)で求められている「学力観」が影響しています。PISAは、「義務教育修了段階の 15 歳児が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面でどれだけ活用できるか」をみます。これまでの日本の知識の習得をみるものではありません。

日本では、2000年から調査に参加し、読解力と数学リテラシーが下がり、日本の子どもたちが世界の子どもたちと比べて不足している学力はPISA型の読解力であることが明らかになりました。この問題点として「ゆとり教育」が挙げられることがありますが、こちらについては、改めて私の考えを述べさせて頂きます。まず、ここで言う読解力とは、「受信する→考える→発信する」であり、「思考力・判断力・表現力」が重要とされることにつながるわけであります。

このため、教員の指導力がまさに問われるわけであります。これまでの植え付け教育であれば、ただただ与えていけばいいのですが、考える力を引き出すことが大事となります。

長くなりましたが、日本の「学力観」はこの数年で変わっており、小樽市で直近2年で公表されている学力学習状況調査の中にある「B」問題がこれに当たりますが、小樽市の場合は、「A」も「B」も全国・北海道と比較すると平均正答率が低い状況でありますので、小樽は「学力が低い」と良く言われています。

森井市長は、公約で、「ここ数十年で学力が低下した」と明文化しており、私は、先日の代表質問で、「その根拠がなく破綻している。根拠を示して欲しい」と質しました。市長の答弁は、「私自身数字的な根拠は持ち得ずに公約等に載せさせた。実際に先生を務められている方々、先生のOB、多くの方々にお話を聞かせていただく中で書かせていただいた」というものでした。確かに全国・北海道と比べると「学力は低い」状況ですが、そもそも「学力観」が変わっているわけで、ここ数十年での学力低下は根拠に当たりません。

いずれにしましても、日本の教育が変わろうとしている中、小樽においても、ある地区の「通知表」がこの流れに沿わない状況であったものから今年度から、学習指導要領で定められた「学力」の要素の実現状況を見るための観点別評価が行われることになりました。保護者の皆様・地域の皆様には困惑が生じることもあろうかと思いますが、私は、この国の学校教育への理念・方向性は支持しており、これまでも「生きる力」「考える力」がまさに必要で、指導力を向上させる取り組みをと訴えて参りました。

小樽の教育環境を改善し、小樽の子どもたちが、国際社会で生き抜いていく力を身につけ、将来大いに活躍出来る存在になって頂けるように、私が今出来ることをしっかり行って参りたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

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