ガバナンスが壊れかけているのでしょうか。把握されていない妊産婦の需要。

6月の第2回定例会で、私は、小樽市の周産期医療について質問しましたが、市福祉部から、「妊婦の皆様などへの支援につきましては、今後どのようなニーズがあるのか調査することも視野に入れ、どういう手だてがあるか研究していきます」との答弁がありました。

がしかし、小樽市保健所では、平成27年度に「小樽市の乳幼児を持つ子育て世代に関する意識調査(市民アンケート調査)」を実施し、ある程度ニーズ調査をしていたのでした。森井市長が、協会病院の分娩再開に対し、これまで所管していた小樽市保健所から市福祉部に法的根拠を無視して無理やり移行させた結果、これまで蓄積してきた情報などが共有されず把握も出来ていない状況に陥っており、ガバナンスが壊れかけているかと危機感を感じます。

周産期医療に関連した第2回定例会の代表質問の際に、市長答弁は、「小樽協会病院での一日も早い分娩再開が必要だと認識している」を繰り返すばかりで、本当に危機感を持って対応しているのか大変疑念を抱く内容でありました。

このため、私は再質問で、「協会病院の分娩再開に向けて努力すると、それは良いことだしやるべきなんですけれども、いつ再開するめどがつくかまだ分からない状況の中では、今出来る子育て支援を模索してやるべきだと思うんです。協会病院再開っていうふうに答弁で逃げないでいただきたいと思います。本当に子育て支援をする気があるのか、市長として公約に載せてますから、やる気があるんだったら少しでもその方向性を導き出すべきだし、これまで協会病院に補助として何千万か出してる部分のお金が今年度から付いてませんよね、それ、どこ行っちゃったんですか。その分を充てれば良いじゃないですか」と追及しました。

これに、福祉部は、「安斎議員の周産期に係る再々質問の中で、協会病院への補助金が当初予算についていないので、その分を子育て支援に充てればよいのではないかという質問がありましたが、それに対してまして、一部答弁漏れがございましたのでお答えいたします。協会病院への補助金につきましては、平成28年度当初予算編成時に、支援の在り方について検討していたところでございますが、その時点では協会病院の動向などが流動的でしたので、当初予算には計上しておりませんでした。協会病院への支援につきましては、6月に設置いたしました北後志周産期医療協議会での議論なども踏まえ、今後、必要な場合は補正予算の計上をするなど、検討していきたいと考えております。そのため、妊婦の皆様などへの支援につきましては、今後どのようなニーズがあるのか調査することも視野に入れ、どういう手立てがあるか研究していきますので、協会病院への支援、補助とは分けて考えてまいりたいと思います」との答弁でした。

冒頭、述べましたが、福祉部が「今後どのようなニーズがあるのか調査することも視野に入れ、どういう手立てがあるか研究していきます」と答弁していた点ですが、そもそも小樽市保健所には、平成27年度、昨年度に実施した市民アンケート調査から得た貴重な情報があったわけであります。これが100%のデータではないとしても、貴重な時間を割いて協力してくれた方々の声を拾わないで、市職員に今後調査するや研究すると逃げ腰の答弁をせざるを得ない現体制のトップは何を考えているのでしょうか。

行政経験のない人が、周産期は子育てだから福祉部にと法的根拠を無視して無理やり組織を改編させた結果、こういう状態になってきているのですから、小樽市の4年後、8年後にとても危機感を感じています。一度壊れたものを立て直すには、壊れた期間以上の時間と労力が必要であります。

そもそもですが、周産期医療は、妊娠22週から生後7日未満までの期間が周産期とされ、合併症妊娠など母子の異常が生じやすく、不安定な状態にあり、この期間における母子の突発的な緊急事態に備えるための総合的な医療のことを言います。

これまで保健所が周産期医療を担ってきたのは、地域保健法第5条に基づいて設置された保健所が、医療法第30条の10において「地方公共団体は、医療計画の達成を推進するよう努めること」となっていることからであります。

これに基づき、保健所が、妊産婦のケアに関する事業など産前産後を通して事業を行っており、地域保健の担当窓口を担っているのです。それにも関わらず、市長は、「周産期医療に関わる調整は、子育て支援と多くかかわってきますので、福祉部内に、子育て支援と周産期医療の両方の業務を担う職員を配置した」というのであります。

法的根拠に基づかずにでも、百歩譲ってこのような体制を整えるのであれば、保健所と福祉部の役割分担は明確にすべきで、どの部分が子育て視点でどの部分が母子保健とするか全庁的に検討しオーソライズすべきなのであります。素人が小手先で変えようとしたって駄目なのです。

私としては、これから生まれてくる子どもや今いる子どもたちに、小樽市で生まれて良かった、小樽市で過ごせて良かったと思えるようにしたいと願って、日々活動し、情報収集し、議会で真剣に質問をしているのですが、住民福祉向上のために行政サービスを提供する小樽市役所のガバナンスが壊れかけているのであれば、いまはまだ職員が現場対応で頑張ってくれていますが、このような状態を回避し何とかしないと、今後この先、本当に大変な状況になってしまうと感じています。

小樽市の乳幼児を持つ子育て世代に関する意識調査(市民アンケート調査)

 

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

2 thoughts on “ガバナンスが壊れかけているのでしょうか。把握されていない妊産婦の需要。”

  1. ちなみに協会病院は唯一残っていた産婦人科医師が9月末で退職するため産婦人科診療自体が休診となります。
    したがって周産期センターとしては全く機能しなくなります。
    再開のめどが立つどころか科自体が休診となり、小樽レディースクリニックへの負担が増える見込みです。

    1. まさにご指摘の通りでございます。
      我々としては市長部局への提案ということが仕事になりますが
      市長が理解してくれないとなかなか進みません。
      危機感を持っているのは市民と議会だけなのかもしれないです。

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