漁業者「漁が出来ない」。事業者「市の許可があるから設置した」。高島漁港の観光船施設の現地視察をしてきました。

本日朝、小樽市議会の経済常任委員会が、今議会で問題が浮上した高島漁港内での観光船事業の施設設置に関し現地視察をすることになっており、私も同行させて頂きました。

この問題については、まず前提として、高島漁港は、漁業法による漁業権が設定されています。この区域の中で、問題とされているのは2点あります。1点は、漁港区内での飲食・物販施設の設置、もう1点は、漁港区内での護岸への船舶係留であります。

14449847_1304564376251224_8569460733725481154_nまず、1点目の漁港区内での飲食・物販施設の設置についてですが、市は、港湾法の規定に基づいて、「小樽港の臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例(以下「分区条例」)で漁港区として指定しています。漁港区とは、「漁船の出漁の準備や水産物の水揚げ及び加工などを行うことを目的とする区域」(小樽市)であります。分区条例の中で、漁港区内で掲げる12項目以外のものについて禁止構築物としています。(分区条例=別表第3

この上で、市は、「前各号(この別表第3に掲げる11項目)の施設に従事する者及びその利用者のための飲食店又は物販店でその床面積が1,000平方メートル以下のもの並びにこれらの附帯施設。ただし、風営法第2条の規定に該当するものを除く」の部分で、地元漁師さんたちなども使う施設であるとの解釈をして陸地での飲食・物販施設の建物の建設の許可をしました。

14449929_1304564006251261_4409426617272626595_n2点目の護岸への船舶係留についてですが、事業者側が、高島漁港護岸に無許可で車止めにUフックを取り付けて船を係留させることになりました。現時点でもその状況のため、「事業者に対し、再三、Uフックの撤去と係船環の設置をしている」(9月14日市長答弁)状況であります。本日の視察で見てきましたが、3カ所にUフックの取り付けがありました。

また、事業者と小樽市漁業協同組合と機船組合とが話し合いが持たれた際に、事業者側からの「船舶の安全航行に関する協定書を締結したい」との申し出に対し、漁業者からは「漁業者から漁業活動や漁船航行の妨げになるため、許可は取り消してほしいなどの意見があった」(市長答弁)ため、まだ協定が結ばれていないようです。この協定の部分で、公明党の秋元議員が漁業者さんから相談があったため議会質問をされました。

しかし、市は、港湾法第37条第2項において「港湾の利用若しくは保全上著しい支障を与え、港湾計画の遂行を著しく阻害し、その他港湾の開発発展に著しく支障を与えるものであるときは許可してはならない」などの規定があるが、「著しい支障を与えるものではない」と「協定が許可要件にはなっていない」との見識を示し、Uフックの撤去を条件にして、「小樽市港湾施設管理使用条例第3条」の規定によって護岸への船舶係留を許可しました。

小樽市港湾施設管理使用条例は、市の管理する港湾施設の管理と使用について必要なことを定めている条例です。市が許可した根拠となる第3条では、①「港湾施設を使用しようとする者は、市長の許可を受けなければならない」、②「市長は、前項の許可を行う場合において、必要と認めるときは、港湾施設の使用について条件を付すことができる」、 ③「物揚場護岸又は運河護岸を使用することができる船舶は、小樽港を基地とする漁船、雑種船その 他市長が特に認める小型船舶とする」、④「前項に定める船舶の使用者で、物揚場護岸又は運河護岸を1月を超える期間継続して使用しよう とするものは、第1項の許可に代えて、市長が別に定めるところにより、使用の登録を受けなけれ ばならない」とされています。これがクリア出来たから、市長が許可をしたということであります。

これらの経緯があり議会議論がなされており、港湾施設の部分で所管する経済常任委員会が現地視察をしました。この視察の際に、漁業者と観光船事業者もその場におり、市の説明のあとに、「漁業権の侵害だ。市長がなんで許可を出したんだ」と主張する漁業者と、「市の許可がある。ほかの護岸でも許可なく船を留めている」と主張する事業者とで言い争いになってしまいました。

この漁港は、冒頭述べましたが、漁業権が設定されており、漁師さんたちは、当該護岸に船舶が係留されているところにウニやナマコの稚貝をまいており、「通年を通して漁をしており、その船舶があったため漁が出来なかった」と言います。事業者は、「市から許可が出たの係留しているし、小樽の観光振興の一助となればと思って事業をしている」、「漁をする時になればずらすことも出来る」などと話していました。双方の意見がぶつかり合う状況になってしまったことから、まずは現地視察を終え、各議員がそれぞれ持ち帰り、本日開かれるであろう予算特別委員会でまた審議がなされることになります。

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

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