議会の認定は政治的見地に立った総合的な判断。不認定は森井市政による行政執行が不当であったことの意思表示。

昨日(10月11日)の決算特別委員会最終日で、全会一致で森井市政による平成27年度一般会計決算を不認定としたことで、今朝の新聞など各メディアでも報道されています。私も昨日、決算の結果をブログでアップしましたが、多くの方から、この議会の「不認定とは何か」とのお問い合わせを頂いてますので、第一法規の逐条解説を参考にしてご紹介します。

まず、地方公共団体の会計は、地方自治法233条に定められ、会計年度は4月1日から翌年の3月31日までとされています。今回の決算委で審議対象となったのは、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの平成27年度分となります。また、会計年度終了後、2か月の出納整理期間が設けられています。この間に、一切の収支を完了し、監査委員の審査を受けないといけません。

昨日の決算委の採決の際の態度表明で、議員側が、「平成27年度一般会計歳入歳出決算認定について」と発していましたが、当該年度の出納完結後、歳入歳出予算の執行の結果の実績を表示されるために作られる計算表がこれに当たります。ですので、市側は、この計算表「平成27年度一般会計歳入歳出決算」の認定についての議案をあげ、議会側はこれを審査するということになります。

この計算表は、市町村の財政上の責任を明確にするための手段の一つであり、予算に議会の議決がいるように決算も議会の認定がないと確定したとは言えません。ただし、議会に上程される前に、監査委員の決算審査が必要で、監査委員は、予算執行の当か不当か、合法か違法かを審査し、この監査委員の審査に従って監査委員の意見をつけたものについて議会の認定が必要になります。

さて、「不認定とは何か」についてです。議会が決算を認定しないことで法的効果があるかということですが、これはありません。地方自治法にもなんら規定されていません。ただし、議会の認定は、「政治的見地に立って総合的な判断によってその内容の妥当性を確認する」(逐条解説)ものであります。議会が決算を認定しないからといっても、すでに執行された支出が無効になるかと言えば法律上影響を受けるものではないと解されており、首長には法律上の責任はございません。

がしかし、決算審査の中で、違法または不当な支出が発見された場合、首長は是正措置をすることが必要になります。今回の論功人事とされる参与については、市長は「私はそう思いません」と言い放つだけですので何もすることはないでしょう。

議会が不当と判断したことについては、市長の政治的・道義的責任はありますし、逐条解説では「考慮してその対策を講ずる必要はあるであろう」としています。ただ、すでに参与は任用切れでいなくなっており、市長が答弁をすり替えて「新たな参与制度を」と議会答弁してきていますが、そもそも、後援会幹部であった人間を月額30万円で雇い入れることが目的であったので、当該人材または後援会の人間を雇えない制度では、森井市長は必要ないのでしょうから、今後、参与制度における予算措置や条例改正などはまずないものと思われます。

以上が、参考資料やネットでの情報をもとにした私の考察となります。市長に対しては、法的拘束力はなくとも政治的・道義的責任は重くあります。市民の血税によって身内を雇い入れたことはこの後の市政運営にも大きく影響します。

しかし、議会側においては、首長の予算編成権・執行権などあらゆる権限に比べると小さく制約があり、二元代表制そのものの課題も多くあると実感する今期です。質問時間が限られた中であやふやな答弁をしておけば追及は終わるだろうという姿勢が、首長から以下市職員に蔓延してしまうとチェック機関としての権能を揺るがすものであり、民主主義とは何かを問い改めないといけないと感じています。

この慣習はどうかなと疑問には思っていますが、議会議決後、市長はじめ理事者は、議会各会派を回り議決に対する御礼参りをします。今回の決算不認定を受け、森井市長だけがどこの会派も回らず後を去りました。この慣習についてはおいておいて、本来であれば、議会の判断や意見を重く受け止めるのであれば、どんな結果であっても会派を回って意見を交し合い、次の行政執行に向けて襟を正すことがトップではないかと思います。前中松市長は、私が追及し指摘し否決や不認定をしたとしても、それを受け入れ共に良い方向へ進めるよう努力していたことを思うと、いろいろと考えさせられます。

小樽市議会ネット中継(平成28年 決算特別委員会 再生リスト)

後援会優遇の論功人事はダメ!一般会計決算、全会一致で不認定。戦後史上初。(2016年10月11日)

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

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