形振り構わぬ「市長公約」印ら列の新年度予算。批判した前体制の施策も横取り。

先日15日に市長・副市長不在の中で議案説明が行われましたが、昨年度も唖然としましたが、やはり今年度も形振り構わずほとんどの施策に「市長公約」印を羅列した、批判した前体制の施策も横取り予算となっていることに驚きました。

平成29年度の一般会計の財源収入は336.8億円を見込んだものの、歳出に充てる財源必要額は345.6億円となり、財源不足額は8.8億円としました。昨年度も財源不足が生じましたが昨年度の4.8億円よりも4億円増加しました。このため、過疎債のソフト分として2.4億円、残りの6.4億円を財政調整基金(普通預金:平成28年最終補正後の28.5億円)から6.4億円取り崩して収支均衡を保つ予算編成となりました。

しかも、これには除雪予算約12億円(昨年度計上値)が盛り込まれておりませんので、実際の財源不足は20億円と多額となりました。そもそもは収入減が主な要因です。全国で65歳以上が増加していることによる地方交付税における積算方法が変わったことによりますが、小樽市の高齢化率はすでに30%を超えており、近年の全国的な膨らみに対比すると小樽の高齢化の比率が増加していないということから普通交付税が大きく減り8.7億円もの減少になったからであります。(予算(案)のポイント

小樽市は独自財源のいわゆる市税で131.9億円しかなく、交付税などの依存財源に頼っている状況で、交付税の増減によってすぐに歳出に充当する一般財源必要額を賄うことが出来なくなっています。

これに国や道の支出金や先ほど述べた過疎債などを含めた一般会計の予算規模は552.7億円で、これに対する独自財源は約3割となっており、財政力指数とともに経常収支比率が道内10市の中で一番高くなっています。また、その会計の中でも扶助費が175.6億円・人件費90.2億円・公債費55.3億円と義務的経費が約6割を占め硬直化しています。

このような状況の中、市民サービスを継続しつつ財政健全化の取り組みは急務となっています。このまま人口が減り企業が減り続けていては、この市の将来は破綻してしまうことは誰が見ても分かるところです。今、この状況の中で、小樽市の未来のために舵取りをどうするかがまさに問われており、税金を固定費以外の部分のどこにどう振り分けて市を立て直していくのかであります。

そこで今回示された新年度当初予算における重点施策ですが、昨年度も指摘した通り、あれだけ批判していた前体制から取り組んできたことをへっちゃらで「市長公約」の印をつけ、まさに「私の成果」と言わんばかりの謙虚さを微塵も感じさせないものばかりであります。(重点・主要施策

16776357_1512153212159005_149265950_o主なものをあげますが、既存街路防犯灯LED化推進事業費1億1,900万円は、平成27〜29年度の3カ年で市内全域で行うことになっていたものです。平成26年当時、小樽市議会「市民と語る会」の中で町内会の方々から強く要望頂いたのを受け、当時の全会派で質問・要望をし予算計上されたものです。森井市長の公約にも「LED街灯の増設、設置を急ぎます」と書かれていますが、急ぐどは嘘で前体制の既定路線通り予算づけしているだけであります。

新・市民プール整備調査事業費25万円は、いまさら何故予算づけをしてきたのか全く理解不能です。整備方針の具体化のため他都市事例の調査等を実施するとのことですが、そもそも公約に掲げているのであれば、整備方針を具体的に示し、市長部局内にある行政視察経費で事例を調査しておけば良いもので、今回の予算計上は、明らかに「公約実現に向けて着実に進めてます」のアドバルーンでしかないものと思います。

「小樽イングリッシュキャンプ」関係経費20万円は、前体制時に教育長であった上林氏が音頭を取り始めて実現した小樽市における初の施策でさらに全国でも話題の教育事業としても取り上げられたものです。これにも公約印があります。

スポーツ選手交流事業費50万円は、市長公約の中の「スポーツや運動を通じて、心身の健やかな成長を図ります」の部分にあたると思いますが、エスポラーダ北海道とレバンガ北海道のプロ選手による出前授業を開催するとのことですが、エスポラーダ北海道においては小樽出身の選手が地元小樽で精力的に活動していたもので、昨年、選手発しで出前授業を行ったことからつながりが出来て、新年度に予算づけをしたものであります。また、レバンガ北海道においては、中学校が記念行事として選手をお呼びしたのを聞きつけ、その行事には一切顔を出さずただ選手に挨拶に行きつながりを作ってのものであります。様々なことがらからチャンスを作り小樽のために実践することは必要だしすべきですが、公約に掲げているのであれば、自らの人脈で何か一つでも新たなことをして欲しいですし、してくれるのが森井氏が掲げた「小樽の営業マン」になることかと思います。

他にもいくつかありますが、細かい話になってしまいますが、私が一期目から要望してきた施策のうち、いくつかがようやく予算化されたので、それについても触れさせて頂きます。

一つ目は既存借上公営住宅事業費480万円です。既存の民間共同住宅の空き住戸を市が借上げ、低所得の子育て世帯向けに市営住宅として供給するもので、私は、隣の大都市と比べて家賃が高い・物件が家賃の割に古いなどの小樽市内の住環境の問題の改善策の一つとして空き家を市が借上げ市営住宅として供給してはどうかと提案してきましたが、昨年制度設計が行われ新年度でようやく予算化されました。これだけではまだまだ改善出来ないこともありますが、今、民間との話し合いでいくつか進められる可能性もあるものもあり、小樽にある有効な資産を活用した住環境整備には力を入れていきたいと思います。

ちなみに、森井市長は公約で「中心市街地に市営住宅を建設し」と明言してましたが、議会の中で敵地がないとして、突如、この既存借上公営住宅事業を持ち出し、これで公約を実現させようという話にすり替わってしまいました。

二つ目はALT招致事業費2,525万円です。かねてより国際感覚を養い英語力をつけた子どもたちを小樽の環境で育てたいという思いから、当時市内で2人だったALTを増やして欲しいと要望してきましたが、昨年度に2人、新年度にはもう2人の計6人体制になることとなりました。

三つ目はコミュニティスクール導入等促進事業費18万円です。これは教職員や地域住民による学校運営協議会制度を導入し、教職員だけではなく地域みんなで学校を支え子どもたちを守り育てようとする制度で、今回、小樽市内で2校がモデル校となり推進委員会を設立し、外部講師を招いた勉強会などを実施するということとなりました。

このほかにもありますが、1期目の中松体制で様々提案し、土台が作られ、いざ陽の目を見た時には別の市長である、これが4年に一回の選挙のある地方自治体の定めでありますが、選挙で戦おうが過去を否定しようと、過去から脈々と続いてきたものを受け継ぎ、明るい未来のために次代へ引き継いでいけるように継続していくことが必要であると私は考えます。継続しながらも時代のニーズや社会状況の変化に対応し、そして地域がより良いものになるよう今を生きる地域の方々と支えあいそして協力し合い前へ進んでいくことが必要です。そのためにはまずはお互いを尊重し合い信頼関係を構築することから始まります。

かつては議会議論から生まれた良い施策もたくさんありますが、今はその議会も、市長のワガママな態度、身勝手な振る舞いから、信頼関係も構築出来ず、紛糾・中断・自然閉会が繰り返されています。過去の体制にも反省することもあるし批判される余地も十分にありますが、私としては、一時は交付税がいきなり16億円も減額され、預金がすっからかんになってしまい、職員給与費を大幅に下げ、死に物狂いで財政を立て直したという経緯経過に敬意を表しています。それがあったから、今、貯金がようやく28億円にまで貯まり、何かあった際にはその中から支出出来るという状況になってきました。

それでも予算編成は大変でありますが、市長におかれましては、次の選挙を見据えた行動だけでなく、ただただ敵対したまま批判する意見するものを排除するのではなく、そして、公約実現ばかりに目を向けずに、将来的な財政状況も勘案して未来を生きる子どもたちのためにみんなで支えあい協力し合えるまちづくりをして頂きたいと思います。来週から始まる小樽市議会では、このような視点からも質問をし、より良い議論が出来るようにしたいと思います。

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

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