日程通り議会閉会。民主党政権時と同じ3年を終えて。

前市長の出直し選挙によって予定の1カ月ずれ込んで第3回定例会が開かれてましたが、10月16日に日程通りで閉会しました。今期初当選の議員ははじめて日程通りに進んだ議会を経験したようです。

昨年の平成29年第3回定例会は、9月3日に開会していました。この時期での開会のためには8月末時点で議案を整え招集しなければなりませんが、出直し市長選(8月26日投開票)になったことから大幅に日程が狂い、昨年と比べると3週間のずれが生じました。

なお、昨年の3定においては、虚偽答弁による中断などがあり、会期が大幅にずれ込みましたが、それでも今年よりは早く閉会していました。(詳しくはこちら

今年の第3回定例会には、一般会計13億5,300万円、港湾整備事業2,187万6,000円、国民健康保険事業3億9,018万2,000円、介護保険事業5億1,037万円、後期高齢者医療事業5,230万2,000円の合計22億7,526万円の補正予算が計上され、賛成多数で可決となりました。一般会計の主なものとしては、除排雪業務委託や電気料金の上昇によるロードヒーティング経費などの9億664万4,000円が計上されました。(詳しくはこちら

新聞紙面では、新市長となり『「オール与党」指摘も』と書かれていましたが、そもそも二元代表制の下で与党も野党も存在すること自体おかしな話だと思います。予算編成・執行権のある首長に対し、議会はその予算・条例の議決権を有しており、互いにけん制しあうものですから。

しかし、新谷元市長時代に自民・公明・民主(当時)・商工会議所・労働組合の5者体制が形作られ、その新谷市政後にその5者で市長候補者を選定することが慣例となりました。これが「オール与党」と批判される一因となりました。

また、新谷市政では、バブル期に国に踊らされて公共工事(今も市民が多く利用するものもあり一概に全てが悪いとは言えません)が重なって市債が倍に膨らんだ上、市立病院への一般会計からの繰入を貸付けにし、その分を別の事業に充てたことで、市立病院の負債も増えました。これを年度を跨いで会計間で出し入れし赤字隠しをしていたところ、夕張市の財政破綻を契機に、国から早期の解決が迫られました。

さらに、全国的な医師不足や国の三位一体の改革による交付税の大幅カットなど、負の社会状況の大幅な変化が相まって、小樽市は赤字財政に転落。山田市政時にはその負の連鎖を断ち切るために財政再建プランが進められ、市長はじめとする給与カットでなんとか赤字財政からの脱出に成功しました。

しかし、この負の社会状況の変化や情報、状態が、5者体制に対する相乗り・しがらみという批判が強まることになり、反体制の感情を刺激した前市長の存在が生まれることにつながりました。さらに、山田市政から中松市政になったものの、後援会と市役所幹部による政治パーティ券問題が刑事事件になりました。これが批判感情をさらに強まることとなった上に、前市長は4年間街頭で辻立ちを行い、市民から「雨の日でも寒い日でも雪降ってても頑張ってる」「可哀想」と同情という感情も生まれました。

このような批判と同情という感情に加え、「若い人に期待したい」「何か変えてくれるのでは」という期待感の追い風を受け、平成27年4月の市長選で前市長が誕生しました。

中松市政では、パーティ券事件による強い批判はあったものの貯金ゼロのスタートから4年の市政運営で30億円を積立てる財政運営を行いました。しかし、それはあまり評価されることはなく、新市長体制となりました。しかし、のちほど記載しますが、前市長時代は、議会が開かれるたびに答弁で空転し調整に時間がサカれ中断することが多発し、日程通りに進んで閉会することは一度もありませんでした。財政運営においても、その貯金も前市長時代に取り崩され、今議会後の残高は9億円となりました。

迫市長は、就任後、今後もさらに財政状況が悪くなることが予想されることから、財政再建プランを立てることを表明。また前市長による排雪抑制を改善させるため、市役所組織の立て直しと排雪量を増加しました。迫市長に対する議会に「オール与党」という指摘がありましたが、まずは改悪となったものを改善させる予算計上と体制強化を行い、答弁に矛盾も虚偽もないのですから空転するわけがありません。

一方、前市長が選挙後にまず取り組んだのが、自身の後援会幹部を市参与として議決のいらない形で雇い入れる論功行賞で、これを議会に嘘をついたり、決裁の押印も市長からだったりと自ら批判を受けることを真っ先に実行しました。いわゆる体制側を選挙戦で猛烈に批判したのに、自らやったことは不当な行政執行でしたし答弁も虚偽や矛盾するものでした。空転するに違いありません。

この2市長を比較して就任後最初の議会において、日程通りに議会が閉会したから「オール与党」だと批判されるのは、本質的な内容を捉えないものと感じます。

また、現市長が、元市役所職員というだけで批判の声もあると聞いていますが、この間、私が内部でいろいろ見聞きしていると、逆に、市役所組織の運営を熟知されているからこそ市職員は引き締めなおしていますし、説明が不足するとすぐに見破られるという厳しい側面もあります。議会質問に対する答弁調整においても、前市長は「ニュアンスが違う」などと抽象的で感情的な返答であったものから、「これはこうだからこう直せ」と指示が明確であるとのこと。

迫市長は、これまでの市役所時代、経済・総務畑が中心でありました。しかし、前市長就任後の人事異動で、総務部長から教育部長へ異動。さらに、その一年後には北後志広域連合へ出向。これを経て、退職まで2年を残し市役所を退職し、まちへ出て政治活動を行いました。

私が思うに、これらの経験が、元市職員がそのまま市長になっただけではない市長像が生まれたのだと感じています。新谷市政から続いた体制によって森井市長が誕生し、その森井市長が誕生し迫氏をどんどん遠ざけた結果が現市長につながったものと思います。

儚くも、政権交代を成し遂げた民主党政権と同じ3年で、自ら出直し選挙を選び終えた前市長体制。民主党政権時においては「失われた3年」と揶揄されることもありますが、出来ないこともありましたが良かったところもあったものと思います。また当時の自民党にお灸をすえたと論じる方もいます。

小樽市においては、3年の前市長体制によってなれ合いと批判され続けた5者体制が崩壊し、市役所・議会への市民の関心が強くなり、また増額補正するだけであった除排雪事業にも風穴を開けたという評価するものもあります。

最近、中国の春秋戦国時代(秦の始皇帝)を舞台とした漫画キングダムを全巻読み、そこから中華史にはまり、そして最近は日本史を改めて勉強し始めました。どの時代・歴史においても、前があるから次の時代が作られていくのだなと改めて感じています。

すべてにおいて一長一短があります。独裁ではなく民主主義だからこそ、国民に平等に与えられた投票によって選択出来ます。そして、地方議会においては、どのリーダーが生まれようとも、同様に選挙で選ばれた議員による議会が監視をすることが定められています。一時のリーダーが、選挙で選ばれたから民意は私にあると暴走しないようになっています。

今議会において、迫市長は、さすが総務部長経験者だなと思わせられるように、矛盾がなく、突込みを入れる隙を作らない答弁を繰り返しました。また、選挙後すぐの議会でありましたから、政策的な意思決定や共有がまだなされていないものもあり、別機関や担当職員の答弁においては市長と対話をし協議をするや検討するという答弁が多くありました。

この後、市政執行が進む中で、迫市長による答弁に対してどのように質問を展開していけるのか、議員の質問力が試されることとなります。

約3週間も遅れて開かれた第3回定例会が終わった翌日には、もうすぐに12月の第4回定例会の日程が示されました。

市長選がずれてしまったものの、小樽市議会議員選挙は変わらず統一地方選時に行われます。私の任期も残すところあと半年。議会はあと2回だけ。限られた時間の中で、笑顔で元気なまちづくりに向け、この間、調査勉強し行動してきたことをバックボーンにより良い質問をぶつけたいと思います。

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

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