臨港地区除雪業務、前市長時代の3分割を廃止。

昨年12月議会の予算特別委員会の空転の要因となった臨港地区除雪業務の発注にかかわって、本日11月14日、小樽市産業港湾部港湾室より平成30年度の発注方法についてご報告を頂きました。前市長時代の「多くの業者が参加出来るように」の号令の下で相次いだ”業者ありきの制度変更”の再検討と見直しが行われることになりました。

まず、同地区の除雪業務の発注方法は、平成27年度までは、臨港地区の除雪業務委託を請け負い除雪ステーションを置く業者に随意契約する形で進められていました。平成28年度になると、再委託を認めた上で「道路除雪等業務」に登録のある会社のうち意向調査を行った34社による指名競争入札によって発注することに変更しました。

平成29年度では、前市長の「多くの業者が参加出来るように」の方針で行われた再委託の制限によって、同地区の除雪業務を1社で担えることが出来ないこととなり、区域を3分割にして業務が発注されることになりました。

これによって「特に1地区においてこれまでにないような苦情が来たり、業者から要望が来た」(港湾室⦅平成30年10月5日 予算特別委員会⦆)とのこと。平成28年度の苦情件数は0件であったのに対し、3分割した昨年度の平成29年度は全体で16件で「勝納ふ頭の苦情としては13件」(同室)となったようです。

なお、勝納ふ頭においては、平成27年度のデータによると、小樽市全体の貨物量1,089万トンのうち1,034万トンあるところで、市内貨物量の95%もあるところとなっております。

よって、同ふ頭は、多くの貨物車両が走ることから、路面の状況が悪化すると「積み荷に損害が出た場合、営業努力を重ねてこられた港湾業者と信頼関係を損ねることになりますし、また、小樽港の評価にもつながってくる」(同室)という状況が危惧されました。実際問題、デコボコになった、大きなグレーダーが1社しかなく分割すると他の地区では使えない(昨年度は中央地区の業者のみ使用)という状況も生まれました。

また、迫市長においても「大型車両が通るということで、いわゆる荷崩れの問題が生じる、あるいはその車軸も含めて状況によっては車が傷む」(同予算委)と述べていました。

これらのことから、小樽市は、平成30年度の発注方法について、「港湾活動に支障をきたさぬよう、路面管理の強化を図れる体制の構築が必要」、「経費の節減による実作業量の増大、一体的な管理ができることから、臨港地区除雪は一括発注が望ましい」、「臨港地区全体で除雪に必要な機械は、最低でもグレーダー1台、タイヤドーザー3台が必要」の基本方針を立てました。

これに沿って、「道路除雪等業務」に登録する全41社にアンケートを実施するとともに、保有機械や業務担当者の状況を調査しました。これを踏まえ、参加可能業者5社に、再委託を認めた上で、臨港地区全体の除雪等業務を行えるかをアンケートを実施。さらに2分割案にした場合の参加可能の可否や条件拡大した場合に業務を担えるかなどをヒアリングしました。

これらアンケートやヒアリングの結果を受け、市は、「再委託を認めることを前提に、臨港地区全体を一括で行える業者へ随意契約したい」との考えに至りました。

理由は、「臨港地区においては、貨物車両が多い(特に中央・勝納地区)ことから、路面整正作業に適したグレーダーの効果的な使用が出来る体制が望ましいこと」、「臨港地区全体を一括発注することにより、経費の削減が図られ(昨年度は3分割によって80万円の増)、この分を路面整正作業に振り向けることができ、かつ一体的な管理ができること」とのこと。

確かに港湾活動のためという目的の下、明確な方針と必要条件を出した上で、アンケートを行いヒアリングを行い検討した結果であることは分かります。ただそれであっても1社しか出来ないものとなり、このための随意契約を繰り返すだけになってはいかがかと思います。常にPDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)で、計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act)を繰り返し行なって継続的に改善し、より良い事業構築を行って欲しいと考えます。その業者ありきの制度設計となっては行政行為としては絶対だめなのですから。

前市長時代において真意は全く不明ですが、とにかく「多くの業者が参加出来るように」の一点張りでした。議会での理由は「将来を見据えて」「除雪業務を担う業者が少なくならないように」というものでした。確かにこの点も考えることは必要ですが、だからと言って闇雲に入札参加条件を緩和し、ステーションや地区を分割することが本当に良いことなのかは甚だ疑問でした。だからこそ、この間ずっと議会で指摘してきました。

議会の指摘も聞かず、自分の思い込みだけで制度を変更させたあげく、結局は、今回のように悪い意味で影響が出てしまいました。しまいには、小樽市全体の95%もの貨物量のある地域から相当数の苦情が出て、将来的に多大な影響を生むことになりそうでした。この地区で言えば、手法として、別に1社であろうと3分割であっても良いですし、業者がどこであっても入札の結果でそうなればそれで良いのです。それで経費が削減でき、そして、この冬期間に、小樽港の安心安全性が高まり、港を利用する関連業者さんたちに利便性を感じて頂き、より評価が高くなり、結果、貨物量増などにつながればなお良いのです。

まさに、どの業者がどうとかではなく、小樽市の除排雪が本当に市のためになるような制度設計は何でどうしていくことが良いのかを議論する必要があったのです。

前市長の主張はただただ業者ありきのものであったのではないかと考えられるところです。業者を増やしたい、だからステーションを分割したい、参加出来る除雪業務の箇所を増やしたい、そして参加出来るところを増やしたから、これまで道路除雪等業務に登録していないところも登録出来るようにという感じでしょうか。私からすると、ただ行政の長たるものが何かしらの利益目当てに屁理屈をこねて市役所を動かしたという見方しか出来ません。

ただし、前市長については評価出来るものもあります。これまでは前年踏襲で経費が増額しても雪が多くても補正補正で片付けてきてしまったものに対し、小樽市の除排雪がどうあるべきかを議会にも市民にも考えさせたということだと感じています。それが目的ではなかったと思いますが、結果的にこのようになり、そして、新市長によって将来的な除排雪計画の策定が進められるようになったことはプラスであると考えます。

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Author: 安斎哲也

好きな言葉:為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

3 thoughts on “臨港地区除雪業務、前市長時代の3分割を廃止。”

  1. 私の親戚が中央バスで小樽市内路線を運転しております。市長が代わり除排雪を良くしてくれるような発言をされ実際に改革に着手されていることを大変喜んでおりました。
    坂道の多い小樽市内、除排雪は買い物に行くにも大変な区域もあります。
    除排雪に限らすスピード感を持った行政手腕を期待しております。
    また、各議員に置かれましても行政のお目付け役として役割を大いに期待しております。

    1. 潮陵OB様
      コメントありがとうございます。
      本来ですと一定水準をまずは最初の予算で行うべきところを、ここ数年は、排雪抑制がなされ続け、市民の皆様の冬の生活の安全安心が行き届かないところが多々あったと思います。しかも、市長はじめとするそれぞれの立場のものが基準のない目視での判断による排雪の可否がなされ、良いところと悪いところの落差があったと感じています。
      現市長においては、それらのことも踏まえた考えと予算づけにはなっておりますが、それでも昨シーズン並みの降雪や積雪であればまずは3学期の始業式までに市内の対象路線を行える範囲でしかありません。相手は自然なので市民の皆様の理解と協力なくしてなかなか難しいと思いますが、仰る通りスピード感を持った行政執行がなされるよう、私としてもしっかりチェックし行動していきたいと思います。

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